アーティスト・サミュエル    2006年7月24日(月)     記事一覧へ    前の記事へ    次の記事へ
ミュエル・ルグナさん、34歳。ミリンベイ州のトロブリアン諸島のオブウェリア村出身のアーティストだ。PNGの現代美術を背負って立つ絵描きである。


8月に台湾で開かれる国際オンライン博覧会で、サミュエルさんの参加が決定した。彼の才能が惜しみなく披露されることになり、それは同時にパプアニューギニアの自然に囲まれた美しい文化が世界に披露されることでもある。


が本格的に絵を描き始めたのは、1990年パプアニューギニア大学の芸術学部に入学した時からだ。93年には奨学生に選ばれ、メルボルン芸術専門学校のシンガポール校へ6ヶ月間の留学をした。そして、シンガポールで自身初の個展を開くまでになった。


95年から98年の間、パプアニューギニア大学の芸術学部で講師として働き、96年には西サモアで開かれた第7回南大洋州芸術フェスタへ参加。大洋州ナンバー1のアーティストとして紹介された。98年にはポートモレスビーで開かれた個展を成功させ、翌年アロタウのキャメロン高校で教師として働くこととなった。


「キャメロン高校で働くこととなった時、私は美術を教えるだけでなく課外活動としてキャメロンカルチャーショーの主催者としても活動しました。このショーはミリンベイ州の美術と民芸品の展示会としても多く知られるようになりました。」


かしキャメロン高校の教師としての生活はその1年のみで終えることとなった。自らの創作活動に専念することとしたのである。「昔からずっとフリーランスのアーティストとして活躍できることを夢見ていました。」


「とても嬉しいことに私の作品は驚くほど早く売れ、前首相やPNG観光局、ドイツのフランクフルト美術館など多くの行政機関や団体、企業から認めてもらうことができました。」


年初めには大英博物館から"メラネシアン・プロジェクト"への参加を求められている。"メラネシアン・プロジェクト"とは大英博物館主催のプロジェクトでミリンベイ州の文化が中心に紹介されるイベントである。


「大英博物館とフランクフルト美術館のような外国の大きな美術館に私の作品が展示されていることに、絵を描くものとして大変誇りを感じています。PNGに絵描きはたくさんいますが、このようなチャンスに恵まれることは本当に一握りなのです。」


に今後の目標を聞いてみた。


「先のことはまだよくわかりません。ですが、大学を卒業してから人生は厳しいものだとよくわかりました。でもその人生を私はまだ謳歌したい。この1年は来年7月にアロタウで行われる個展に集中したいと思います。」

text by マルム・ナル
 
※国際オンライン博覧会
(International Online Exposition)

-正式名称は"APEC Local Culture Virtual Exposition"。APEC主催の2006年8月から2007年7月までの1年間、台湾で開かれる博覧会。参加国はそれぞれ、インターネット上に"Exhibition Hall"を持ち、そこで自国の商品や文化を展示する


(了)
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