事故のつぐない 2005年9月28日(水) ![]() ![]() ![]() |
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今月はじめ西ハイランド州の男性4人が亡くなるという大きな交通事故がありました。そして今回、加害者がその遺族や親戚に対し、はじめのつぐないとして28,000kinaを支払うセレモニーが開かれました。 PNGでは車で誰かを轢き殺してしまった場合、加害者はその場から逃げるという暗黙のルールがあります。というのもその場にいると、周りの仲間、ワントクになぶり殺しにされる可能性があるからです。そういった報復行為はペイバックと呼ばれています。 今回のこの事件も意図的ではなかったものの、遺族や親戚、またそのワントクは納得できず、加害者に対するペイバックにまで発展しそうな状況でした。遺族や親戚の要求額は800,000kinaとかなり高額なため、まずははじめに28,000kinaを支払うことで、彼らの怒りを鎮める形にしたようです。お金以外にはなんと!豚を400頭も要求されています。PNGの人にとって、豚はこのような取引で利用される貴重な動物なのです。 ここでのワントクとは、遺族でも親戚でもありません。同じ村に住む人などです。このような事件では、血のつながりのない"他人"にも関わらずワントクが大騒ぎし、遺族などが納得しても彼らは納得せず、ペイバックを起こしてしまうことがあるのです。このような事件の中にもワントクシステムによる欠点が顔をのぞかせています。 (了) |
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