部族語による授業は本当に悪いのか? -前編-     2006年6月1日(木)     記事一覧へ    前の記事へ    次の記事へ
PNGの多くの学校では、小学校低学年まではピジン語や部族語(以下まとめて"現地語")で授業が行われ、それ以降は英語で授業が行われます。そして多くの人たちは、小学校での授業を現地語で行うよりも、英語で行ったほうがよいと考えています。前者の授業方式は現在進行中の教育改革にはそぐわない、さらには原始的であり、時代に後れていると考えられているからです。しかし、それは本当なのか?国の研究機関が調査報告を発表しました。
 
英語による授業が行われている学校と、現地語による授業が行われている学校とをモデルに調査が行われました。

【形の認識】
-英語の学校-
多くの生徒が四角、三角、丸、ひし形、などの形を認識、発声することができた。しかしほとんどの生徒が正しいスペルで表記することができなかった。
-現地語の学校-
形の認識、発声ともにほとんどの生徒ができた。さらにスペルの間違いもなかった


現地語の学校の生徒が形の名称を正しいスペルで表記できたのに対し、英語の学校の生徒はほとんどがスペル間違いをしていた。その多くは、文字の順番の間違いだった。このことから、まだ多くの生徒は英語の各アルファベットの発音をマスターしていないか、各単語がどのようにしてアルファベットからつくられるかということを理解していない、ということがわかる。ほとんどが記憶だけにたよって解答しているのである。

【色の認識】
-英語の学校-
多くの生徒が大まかな色の範囲を認識することができた。しかし、数名は紫色と橙(だいだい)色が認識できなかった。紫のことを青と認識したり、橙(だいだい)色を赤や黄色と認識していた。
-現地語の学校-
ほとんどの生徒が細かい色まで認識することができた


現地語の学校の生徒が質問された色を即座に自信を持って返答したのに対し、英語の学校の生徒は返答までに時間がかかっていた。英語の学校の生徒は、細かい色の名称まではまだ完全に覚えていないためこのような結果になったと考えられる。
後編へ続く>>
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