オーストラリア軍備拡大を受けて 2006年8月28日(月) | |||||||||
オーストラリアのジョン・ハワード首相の発言がPNG内で物議を醸しています。 ハワード首相は昨今の大洋州全体の治安の悪化を受けて、オーストラリアが"大洋州の警察官"となるという声明を発表しました。パプアニューギニアを含む大洋州諸国の治安を守る国となるわけです。これによりオーストラリア政府は100億ドルを軍事費にあて、新たに2600名の兵を追加することになります。この数は2つの大隊に相当します。現在の6個大隊が8個大隊となります。 ハワード首相のコメントを以下に一部紹介します。 「・・・ここ数ヶ月の間、大洋州各国で治安の悪化が問題となってきている。東ティモールの崩壊、ソロモン諸島の民族紛争、フィジー国会占拠事件の余波、バヌアツの防衛軍の分裂、PNGの生まれ持っての不安定な状態。我々は大洋州の代表として・・・」 この中でどこがPNG国民の反感を買ったかもうすでにおわかりでしょう。"生まれ持っての不安定な状態"。あまり良い訳ではないかもしれませんので、原文を紹介すると"Inherentely unstable situation"。Inherentelyとは"本来備わっている、持ち前の"などの意味。つまり、ソロモン諸島やフィジーでは治安の悪化を象徴する事件がおきましたが、PNGはそういう事件が起こる以前に"常に国の情勢が悪い"、国の情勢の悪さは生まれ持ってのもので直る見込みがない、という意味が感じられます。これにはさすがにPNG国民も怒ります。 またPNGのマイケル・ソマレ首相は「ハワード首相は正直ではない。オーストラリア国民に正直に話すべきだ」とコメント。PNGに対する"生まれ持っての国の情勢の悪さ"という発言以外にも次のことでハワード首相を非難しています。 「オーストラリアがただ軍備拡大したいがために、聞こえの良い理由として、他の大洋州諸国を利用するべきでない。本来は中東、アフガニスタンなどへの軍隊派遣のために軍備を拡大するのに、そこにPNGはまったく関係ないはずだ。」 オーストラリア軍とPNG軍の共同訓練が先日行われました。オーストラリアの軍事アドバイザーからは、PNGは兵数を5200から2000まで落とすように言われています。その中でのこの発言。兵士数削減との関連はどうなるのか。この問題はまだ終わりません。 (了) |
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